中国花映塚コミュニティインタビュー <2> プレイヤーについて

(この記事は「中国花映塚コミュニティインタビュー <1>「場」について」のつづきです)

 

中国の花映塚コミュニティについて、FSXさん@fairy_tieraにインタビューしました。

 

第二回のテーマは「プレイヤー」です。
現在中国にはどのくらいの現役プレイヤーがいるのか、これまでにどんなプレイヤーがいたのか。そして彼らはキャラクターをどのように評価し、どのように遊んでいるのか。こういったことを伺いました。

 

目次

 

 

⑦ 2020年現在、中国でアクティブに活動している花映塚プレイヤーはどのくらいいる?

中国ではいま、jumboさんが国のプレイヤーたちの取りまとめ役になっています。彼がアクティブなプレイヤーを数人紹介してくれました。現在活動中のプレイヤーについてbilibiliの個人ページを挙げておきます。bilibiliの「UID」という番号は唯一かつ固定の識別手段になります。

 

プレイヤー名(敬称略) / bilibiliの個人ページ
星色Jumbo / https://space.bilibili.com/1506619
主要是我气势上树了 / https://space.bilibili.com/359870
アリアポコテン / https://space.bilibili.com/327224
Maksim71 / https://space.bilibili.com/3345076
白兔-白兔 / https://space.bilibili.com/6848078
紫電_ / https://space.bilibili.com/22946999
咸阳风凉 / https://space.bilibili.com/7387314

 

⑧ 中国の強豪プレイヤーにはどのような人がいる?

……強豪と言えるのはどんなレベルでしょうか。日本の一流レベルに相当するなら、わたしの先輩「xutu」さんが挙げられると思います。

 

彼は花映塚発売年からのプレイヤーで、活躍中はフランスに在住していました。成績といえば、2008年頃は霊夢、映姫、ルナサで対LunaticCPU全キャラクター勝利や、映姫Lunaticストーリーノーミスクリア、咲夜でLunaticCPUの妖夢に勝利を達成しています。対CPUの妖夢は楽に10分以上生きることができるようでした。今見たらそんなに難しくないですが、2008年頃にはけっこう高い段階です。

 

また彼はスコアアタックもやっています。2010年の頃もストーリーモードで映姫Lunatic4.5億という成績を出しました。内容は小町で1機負けて、9面1ラウンド目で意図せず勝ってしまったものと覚えています。結局残6でのクリアで、もし9面が2、3、4ラウンド目に入っていたらまだ数千万点が伸びるはずだったのにと本人は言っていました*1。このプレイのリプレイはさすがに保存バグ*2で残っていませんが、トッププレイヤーの言だから信用できます。そして2015年に映姫6.1億というスコアで「gensoukyou」というスコアボードの全一を取っていました。

 

わたしは幸いにしてxutuさんと対戦したことがあります。
一番感じたことは、点数管理の細かさです。盤面の主導権を争い合うときに、xutuさんのボスリバはとても速く、自分がボスアタックが送ったとたんにすぐ返されるということが、序盤から終盤までずっとある感じでした。点数管理は精密といっても過言ではないくらいで、威圧感を感じます。そして彼は開花を嫌がっているようで、積極的にスペルポイントをリセットします。

 

花映塚をどのように遊んでいる?

確かに花映塚自体のルールに従うに限らず、ほかのルールで遊んだこともあります。*3 

 

2008年頃は「16キャラ耐久戦」という遊び方がありました。対戦者双方はまず映姫同キャラ戦から始めます。負けた人は小町に変え、勝った人はそのまま映姫を使いますが、ライフは前試合で残った数値を引き継ぎます。このように小町が負けたらキャラクターセレクトのひとつ上のキャラに変え、どちらかのプレイヤーが[一番上に位置する]霊夢を使って負けた時点で勝敗が決します。

 

また「BO13」という遊び方も2014年頃流行っていました。これもライフを前試合から引き続きつつ、先に7回取った人が勝ちというルールです(このルールでは1戦は1ラウンドだけやることが多いです)。

 

⑩ 中国のコミュニティはキャラクターの強弱をどのように捉えている?

主なレベルは5つあります。


S級はやはり霊夢魔理沙ですね。
中国には花映塚プレイヤーは少なからずいますが、全体的に言うと日本人ほどのレベルではありません。そもそも初心者から中級者までにとって霊夢は凶悪だし、上級者になってはじめて魔理沙の実力を上手く発揮できるため、中国では魔理沙より霊夢のほうが強いと思っている人も少なくない。


しかし私はやはり魔理沙のほうが強いと思っています。わたしは霊夢魔理沙の練習時間はだいたい同じですが、対戦のとき魔理沙のほうがより安定的だと思うからです。霊夢を使うときは調子によってはさっさと負けることがあります。

 

A級は妖夢、映姫、小町、メディスンとリリカの5人です。
レベルが日本と違うのは妖夢だけのようです。中国でそにつくさん(@Sonitsuku)ほど強い妖夢使いはおらず、妖夢のポテンシャルを発揮し切れないのが原因だと思われます。

 

ここで面白いのは、このレベルは回線状況が良いときの評価で、レイテンシ*4の高い対戦の場合、魔理沙のようなスピードの速いキャラは使いにくくなります。その一方で、妖夢や小町の攻撃がほかのキャラよりもっと避けにくくなり、結局そういうときだけ妖夢と小町がS級に入り込んできます。

 

仲がいいプレイヤー同士ではときどき「回線がこんなに重いのに妖夢/小町ばかり使うなんて……」と文句のようなことを言ったりします。もちろんこれは冗談で、本当に腹が立っているのではありません。

 

ここまでの7強以外のキャラは、わたしが上手く使えるのはチルノと文しかないので、どのキャラが強いかはっきり覚えていないです。


多分こんな順番でしょうか。
B級は鈴仙幽香、ルナサ
C級は咲夜、チルノ、ミスティア
D級はてゐ、文、メルラン

 

メルランがD級にいることを認めない人は中国にも居ますが、初心者にやさしくないのが不評の理由であるようです。てゐは真面目に使う人があまり居ないため、実際のレベルが分からないまま評価したのだろうと思っています。

 

(つづく)

*1:ストーリーモードでは9面をクリアすると残機1つごとに1000万点が加算される。しかし1ラウンド目で稼げるだけ稼いでからわざと敗北して、2ラウンド目に入ることで1000万点以上のスコアを回収できることがある。

*2:花映塚には高頻度で発生するリプレイの保存バグがある。詳しくは下の記事の「スコアアタックQ&A」を参照。
FSX氏による花映塚スコアアタック解説(1)基本編 - 花映塚について
http://dehana.hatenablog.com/entry/2018/04/07/214613#%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AFQA

*3:日本特有の遊び方はこの記事にまとまっている。
花映塚のいろいろな遊び方」と関連リンク集 - 花映塚について
http://dehana.hatenablog.com/entry/2019/11/28/204706

*4:Latency、待ち時間のこと。レイテンシが小さいほど遅延が少なく、快適に対戦することができる。