例えばこんな花映塚の記事が読みたいな

サークルDEHANAはC100に出ます。

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可能であれば『DEHANA』の続編を出したいと思い、諸々検討しています。スケジュールの厳しさは認めつつ、せっかくなら新刊も出したい……。趣旨は変わらず「花映塚を楽しみ尽くす」こと。さまざまな観点から、花映塚を楽しむための情報を記録していきたいと考えています。

 

作るのであれば、前回同様に原稿を公募したいのですが、こういう状態なので、まだはっきりとしたことは言えません。とりあえず前回公募したときの、原稿の仕様をまとめたPDFがあるので、興味のある方はご覧ください。変更点として、おそらく上限字数は6,000字くらいになると思います。下限はそもそも要らないですね、ははは。

drive.google.com

 

さて、ここからが本題。

『アル花』『DEHANA』と(もちろんその他にも)攻略本が書かれてきた中で、これ以上花映塚について何を書くことがあるんだと思われる方もいるのではないでしょうか。公募すると言うが何を書けばいいんだよ、と。

 

そこで、私ならこんな記事が読みたいなというテーマをいくつか挙げてみます。書き手が付いてくれたら、これがそのまま新刊の目次になるかもしれません。もちろんこれ以外のテーマでも、DEHANAの趣旨に合っているものであれば受け入れたいと思っています。

 

それから、これから私が書けそうなテーマも挙げておきます。こちらも参考にしてみてください。

 

正直なところ、今回は新刊を作るべきか、見送るべきか迷っています。今回は出せなくても将来出せるかもしれない。もしなにか書きたいと思ってくれる方がいたらぜひご連絡ください。

 

※追記(2022/06/18):悩みましたが今回は新刊は作らないことにします。代わりにちょっとしたペーパーを作るつもりです。相談に乗ってくれた方々、ありがとうございました。

 

目次

 

こんな記事が読みたいよ

キャラクター攻略

『DEHANA』のキャラクター攻略記事は実は16キャラ全てを網羅しているわけではありません。この方になら任せられるというプレイヤーに依頼して書いてもらったもので、誰にお任せすればいいか分からないキャラの攻略は一旦置いていました。

キャラクター プレイヤー名
霊夢 nishi_hana
魔理沙 柿桜
咲夜 -
妖夢 そにつく
鈴仙 -
チルノ -
リリカ Ardan
メルラン -
ルナサ -
ミスティア -
てゐ -
-
メディス halogen
幽香 ふぁー
小町 てんこ
映姫 てんこ

「私はこのキャラを使いこなしている」という自負のある方の攻略を読んでみたいです。また、差別化できる自信があるなら既に書かれているキャラの攻略もありです。

 

なんでもない被弾を考える

なんでもない弾に当たってしまうということがしばしばあります。というか、そういう被弾をしない試合の方が少ないでしょう。その原因を分類し、分析します。FPSなどのデス集のようなイメージでしょうか。

 

うっかりミスや知覚の癖に関する学問領域とのつながりが示せればなお面白いのですがそれは流石にハードルが高すぎますね。とりあえずは自分たちの実感を担保に考えていくのが良いと思います。

 

日本の花映塚コミュニティレポート

『DEHANA』の「海外コミュニティレポート」のフォーマットで自分たちのことを書きます。これは前回の制作終盤にping値さんから提案していただいたアイデアなのですが、その時は私がはちゃめちゃにバタバタしていて、実現しませんでした。

 

コミュニティの全体を見通して云々できる人なんてもちろんいないので、誰が書くにしても難しいわけですが、大まかにでも雰囲気や空気感を残しておきたいなと思っています。

 

花映塚コミュニティのタイムライン

日本・海外を合わせて、界隈の流れを大まかに図示します。横軸に時間を、縦軸に地域を置いて、いつ大会があったか、いつコミュニティが立ち上がったか、公式でどのような出来事があったか、などをまとめます。

 

Discordの普及以降、特に海外勢との交流が盛んになったので、いまなら世界全体の流れをある程度可視化できるのではないかなと思っています。無理かも。難易度高いですね。

 

「攻撃力」と「防御力」の概念分析

あいまいに語られがちな、キャラクターの攻撃力や防御力について、実際のところ何が語られているのかを分析する。プレイヤー同士が共通に戦略を語るための土台を作ることにつながる。 

 

Steamリモートプレイの紹介

2022年になって花映塚がSteamで配信された。Steamのリモートプレイ機能によって何ができるのか、どうやって遊ぶのか、どういうトラブルがあるのかをガイドとして簡単にまとめておきたい。というかこれは夕姫さんがnoteに整理してくれている。

note.com

 

オフ会開催ノウハウ

オフ会を主催するときに考えることを解説する。『DEHANA』にはオンライン大会のガイドを書いたが、オフライン大会のガイドはなかった。告知の打ち方、会場の取り方、設営、お金の管理など。近年では100人を超えるような大規模オフを開くことはなく、10人前後のオフになることが多いので、そういうオフの開き方のノウハウをまとめてほしい。

 

花映塚のストーリー(物語)解説

物語としての花映塚ストーリーの紹介・批評。ゲーマーの中にはゲームシステムばかり気にして、そのゲームがどういう物語なのかを知らない人も案外いる。私がそう。物語を知ると、ゲームももっと楽しくなりそうな気はしている。可能なら物語とゲームシステムがどのように絡んでいるのかを書いてくれるとうれしい。例えば「おくりものシステム」は何らかの物語を表現しているだろうか?

 

対戦型2DSTGの比較

かなり特殊なジャンルであるこの分野の他の作品を集め、その特徴と花映塚との異同を分析する。東方夢時空ティンクルスタースプライツ、かのっしゅ!シリーズ、Rival Megagun、まだあるかもしれない。果たして書ける人はいるのか。

store.steampowered.com

www.dlsite.com

store.steampowered.com

 

私ならこんなことを書きそうだよ

二人羽織花映塚

Steam版リリースによって遊べるようになった特殊な遊び方を紹介する。コラム。

 

「妖怪vs妖怪」で遊んでみる

ver1.50aで実装された、公式のネット対戦機能のレビュー。コラム。Steam版が出る直前にてんこさんと検証したときの記録がある。具体的な手順や快適に遊ぶためのコツを書く。

 

これまでに出版されてきた花映塚攻略系同人誌のまとめ

弾幕研究室さん、halogenさん、柿桜さん、そして海外のものも含めて、書誌情報をまとめる。海外の同人誌は正直あまりフォローできていないので詳しい方に教えてほしい。paradise of boundariesが出している"Bunbunmaru Extra"13号の花映塚特集はとても力が入っている(ただし私には読めない)。

 

issuu.com

 

DEHANAの索引

必要な情報を見つけやすくし、使い勝手を良くするための索引。一般的に、私は索引は本の中でかなり重要なパートだと考えている。

新しいことを書くためには既に書かれているものを読んでいるほうがよい。索引は、その本に既に何が書かれていて、何がまだ足りていないかを手早く調べるのに大変役立つ。

『DEHANA』は厚すぎて、素早く目的の情報にアクセスするのが難しくなっている。索引によって使いやすくアップデートしたい。

 

ゲームの攻略とは何をすることか

何を書けば「攻略」になるのかを考える。攻略文章がもっと書かれてほしいので。おおよそこんなことが言いたい。

- うまくプレイできることとそれを言語化できることは、全く別物である。

- うまくプレイできる人の言うことが必ずしも正しいわけではない。

- 攻略を書くことはそれ自体一つのゲームの楽しみ方である。

- 自分の目的に合わせて自分が書くことに意義がある。

 

(おわり)

花映塚を楽しむためのリンク集2022+α

Steam版花映塚リリース直前ですね。

 

これから花映塚をはじめる方に向けて、現在アクセスできるリソースをまとめています。タグでフィルターを掛けられたりもします。タグやメモを参考に必要な情報を見つけてみてください。こんなリソースもあるよ、という情報があればぜひ教えてください。

 

それからもうひとつ、Steam版花映塚でネット対戦する3つの方法もまとめておきました。これまではadonisでの対戦が主流でしたが、Steam版のリリースからは違う方法を使う必要が出てくるかもしれません。

特に「妖怪vs妖怪」での対戦はよほど古参でない限り試したこともないかもしれない。現在のネット環境でどのくらい快適に対戦できるのか実際に試してみたので、こちらのスレッドも参考にどうぞ。https://twitter.com/medotsu_/status/1513500146440740869

 

花映塚は古いゲームということもあり、快適に遊ぶのに支障をきたすような「落とし穴」があちこちにあったりします。これまで遊んできたプレイヤーはそういう落とし穴を踏みまくっていて情報を残しているので、何かあったらリンク集を参考に調べてみるとよいですよ。

 

ではまた。

私と花映塚コミュニティ(後編)

この記事は、私と花映塚コミュニティ(前編)の続きです。

dehana.hatenablog.com

 

目次

 

再開期(2015年初め~2016年10月)

  • やり残し感

    • ふと、花映塚がうまくなりたいと思った。これだけ歴が長いのに、自分は全然上手くない。今一度このゲームに取り組みなおそうと思い再開した。
      • 「今一度取り組みなおす」といいつつ、それまでは大して強くなろうとも思っていなかった(と思う)。そういうことは口にしていたかもしれないが。以前の自分は、身内で繋がって同じゲームで遊べればそれで十分だった。
    • このときは結構まじめにゲームに取り組んだ。
      • LunaCPUを相手にしたマッチモードでの一人プレイ、トッププレイヤーのリプレイを観て分析、プレイするたびにノートに気づきを書くということをやった。
      • このときに言語化したものが『DEHANA』の攻略文章になった。

 

  • 当時のニコ生コミュニティ

    • 自分と同時期にニコ生で遊んでいた人たちの大半は花映塚をやめるか、ネットから消えていた。
      • ニコ生で遊んでいる人たちはいたが、顔ぶれはガラッと変わっていた。
        • この時期ニコ生でよく花映塚配信をしていたカイワレさんから、当時遊んでいたプレイヤーの名前を伺った(これは最近のこと)。30名弱のハンドルネームを教えてもらったが、私の知っている人はほとんどいなかった。世代交代が起きていた。
    • 配信の身内感が強く、入っていくことに抵抗があった。
      • よく分からない定型コメント、特定の誰かに対する強いいじりなど。イニシエーションが必要なのだと感じた。
      • 同時に、自分たちが初期にやっていたのはこれだったのかと気づいた。もしかしたら、ただゲームを遊びたい人にそれ以上のことを要求して、排除してきたのではないかと考えて恐ろしくなった。
      • コミュニティを広げるということは、単に身内を増やすことではなく、「他者」を取り込んでいくことも含まれているはずだ、とも思った。
        • しかし他者は恐ろしいので、身内で凝集しようとする。同じノリが通じるひとだけが入れる同質的な空間を、当時の私たちは維持しようとしていた。
          • こと花映塚というゲームは、マッチングのためにいちいちチャットでコミュニケーションをとる必要がある(勝手にマッチングしてくれる近頃のゲームと比較して)。そのコミュニケーションにまつわるコストを下げるために、身内を作ることはたしかに有効だった。
          • 淫夢語録もそういうノリのひとつだったのだろう。今でもそれは機能している。

 

  • ツイッターの対戦コミュニティ

    • Twitter上で対戦相手を見つけられるbotがあり、かなりの頻度でマッチできていた。

      • @Kaeibotを使っていたが凍結されている。現在はみぞるさんが作った新しいbot@th09botが使われている。

    • 自分と同じくらいのレベルのプレイヤーを相手に延々と対戦していた。

      • shimpeyさん、origamiさん、柿桜さん、azyさん、FSXさん、yetさんとよくやっていた。

      • このあたりで実力が一気に伸びたのを実感した。ちょうど良い相手と切磋琢磨できたのが本当にありがたかった。

    • 「花十」(はなじゅう)という遊び方がはじまった。

      • 霊夢魔理沙や映姫小町など、ひとつの組み合わせで10本先取の対戦をするという遊び方。

      • 当時日本最強だった(と私が思う)2人、nishi_hanaさんとobtさんがよくやっていた。

      • 後に「花十」はもとの意味が徐々に薄れ、単に長時間の連戦のことを指すようになっていった。

 

DEHANA期(2016年10月~)

  • ブログ「DEHANA」の立ち上げ

    • 主なモチベーションは、当時の対戦相手が何を考えているのかを知ることだった。

      • 正直なところ、花勢がゲームについて話していることがよく分からなかった。対戦後の挨拶でも、対戦について一言添えてくれることが多かったが、よく分からないことがあった。

      • もしかしてみんな、よく分からないでそれっぽいことを言い、お互いに分かったふりをしているんじゃないかという疑いさえあった。

    • ということで(邪)、当時よく対戦していたプレイヤー2人にインタビューをした。

      • origamiさんazyさんへのインタビュー。インタビューの方法もよく分からず、空手でやっていた。しかしひとの語りは面白かった。

    • 「DEHANA」はこのインタビューの記録を残すためのブログだったが、私の興味にしたがって、その後いろいろと話題が拡散していった。

 

  • 柿桜さん主催の花映塚オフ

    • 2014年から2019年まで、年2回定期的に行われた。例大祭合わせで3月に東京、紅楼夢合わせで10月に大阪。
    • 私は東京のほうだけ参加していた。ぽつぽつと新規の方も来てくれていたようだったが、だいたいは同窓会のようになっていた。

 

  • 花映塚ネット対戦Discordサーバーの立ち上げ

    • 2017年の中頃には、Twitterでの対戦募集も下火になりつつあった。そこで新しいツールであったDiscordに目をつけた。
      • Discordはマッチングに便利なツールだった。
        • オンライン状況が見えるので、マッチングの可能性が読みやすい。ツイートに比べて、チャットでの感想戦がしやすい。
      • 身内感の少ない、ゲームを遊ぶための「場」があればいいなと思った。
    • とはいえプレイヤーが集まらないことには機能もしないので、周りで一緒に遊んでいたプレイヤーにTwitterでDMしていった。
      • Discordは今でこそ多くのゲーマーが使っているが、当時はむしろ少数派だった。

 

  • 海外勢との交流

    • TwitterやDiscordを通じて、海外コミュニティの存在、そして所在がわかり、交流が進んでいった。
      • ブログを書いて発信し続けたことが大きかった。
      • 交流の成果の一つが、knegさんの"PoFV Tournament Archive" 
        • ここに日本のトーナメント情報を提供した。日本の情報を取りまとめる段でも、私とは面識のない古参の方々からたくさんの情報をいただいた。
      • また、同人誌『DEHANA』に掲載した「海外コミュニティレポート」に結実した。

 

  • ニコ生週一対戦配信

    • ここに来てまさかの先祖返り。2019年始めから2021年中頃まで、100回以上やった。
      • 土曜日の20時からと時間を決めて、定期的に対戦することにした。
        • そうでもしないと、なかなか対戦相手が見つからないということでもあった。
      • ここでリスナーとだらだらしゃべりながら、オフ会や同人誌の企画を作っていった。
    • 『DEHANA  ZERO』という初心者向けの小冊子を作ってBOOTHで頒布した。

 

  • 同人誌『DEHANA』発行

    • 2020年末に制作がはじまり、2021年5月にリリースした。
      • 本来はC99で頒布予定だったが、コロナの影響でC99が延期となり、BOOTHでの委託販売になった。
    • 制作のモチベーションについて。既に、完成された攻略本『アル花ディア』(2007)があった。データについてはもう十分に書き尽くされていた。
      • しかし『アル花』の発行以後、自分たちも花映塚をやりこんできたし、そこでの発見もあった。遊び方を作ったり、海外との交流も始まった。そうしたものを含めて、総合的な花映塚の攻略本を作りたいと思った。
      • それとは別に、全く個人的な理由だが、いつかコミュニティへの恩返しをしたいと思っていた。初期に、年上の先輩たちからいろいろと良くしてもらっていたから。
    • たくさんの方から協力をいただけて、ありがたく思っている。様々なコミュニティ、世代のプレイヤーで集まって一つの作品を作れたことが嬉しかった。
      • とりわけping値さんにはとても感謝している。
        • 制作の最初期に、『DEHANA ZERO』を(お願いしたわけでないのに)読んでいただき(そのために購入までしてくれた)、文章やデータの不備を指摘してくれた。
        • また『DEHANA』第一章の私の文章の校閲・校正をしていただいた。
        • 返ってきたコメントを見て、自分の文章の甘さを痛感した。気を引き締めなければと思った。これが全体のクオリティアップに繋がった(と信じている)。

 

  • 2022年はじめ、いま現在

    • 現在私は花映塚を滅多にプレイしていない。おそらく今年に入ってから、一度もパットを握っていない。
    • オフ会や大会を開こうというモチベーションもない。
    • 2015年に花映塚を再開してから、徐々にゲーム全般に対する関心の方向が変わってきた。現在はゲームが上手くなることにはそれほど関心がない。
    • とはいえ花映塚が好きであることは変わりない。今でも私の人生のベストゲームだ。自分なりの付き合い方をしていきたいと思っている。

 

(おわり)

私と花映塚コミュニティ(前編)

私はこれまで13年ほど花映塚を遊んできました。その中で自分が見てきたこと、聞いてきたことを、時系列に沿って書き残しておこうと思います。

 

この記事は、過去の花映塚コミュニティについて記録を残すことを目的としています。過去に遊んでいた人たちはどんどんいなくなっていく。当時書かれたブログも、サービス終了などで見れなくなりつつあります。なんなら自分自身でも当時のことを忘れかけていることに気づきます。

 

花映塚は私の青春とともにありました。記録も記憶もなくなって、当時のことがぼんやりとしていくのは悲しい。ぼんやりとしたところを、変に美化したくもなければ、真っ黒にしたくもない。この気持ちは共有できるでしょうか?

 

自分がゲームを始めた2009年を起点に、全体を4つの期間に区切って書いていきます。これはこの記事のための便宜的な区別です(し、でしかありません)。

① 初期(2009中頃~)

② 中断期(2011年末~)

③ 再開期(2015年初め~)

④ DEHANA期(2016年10月~)

 

先にふたつだけ注意を。

その1。記事では、あくまで自分が見聞きしてきたことを書きました。私の知っていることが事実とは異なるかもしれない。私の記憶違いもあるかもしれない。ただ、過去を偽って書くような不実のないよう努めました。間違いがあれば、どこでもいいので私に届くようにコメントしてほしいです。

 

その2。コミュニティはいつでもひとつではありません。同時期にこのゲームを遊んでいながら、私とは接点がない人もたくさんいたはずです。私が描くコミュニティが当時のすべてだったと思わないこと。

 

この文章自体はいわゆる自分語りですが、ここにもう少し大きい別の意味を認めたいとも思っています。それについては、追ってまた書いていくつもりです。

 

では見ていきましょう。

 

目次

 

 

初期(2009中頃~2011年中頃)

  • 「表」のニコ生

    • ニコニコで花映塚ネット対戦をするひとは、誰しも配信をしていた。
      • 特別な野心があるわけでもなく、ただ対戦相手を見つけるためにみんなが配信していた。
      • 配信は、当時の新しい遊びの一つだった。WME(Windows Media Encorder)など特別なツールを必要とせず、ネットワークに関する知識も要らず、手軽にできることが大きかった。
        • 1枠30分で区切られているので気楽にできるというのもあった。同時にそこがバカにされていたのだが(30分ごとに枠を取らないといけないなんて不便すぎる、と)。
        • 花を遊びたい人はいくらでもいたので、最初からある程度の視聴者を期待できた。

 

    • ニコ生花映塚対戦総合」コミュニティには、花粉症さんによって当時のプレイヤーがリストアップされていった。
      • このリストは申請制だったので、実際にはもっとプレイヤーがいた。
      • 妖夢使いのKASSさんがカリスマ的な人気を誇っていた。実力もニコ生随一だった。
        • 自分が初めてネット対戦した相手もKASSさんだった。凸する前にかなり勇気を振り絞ったし、対戦中は心臓がバクバクだったし、終わってからもしばらく放心していた。
        • こういうゲームを、家にいながら知らない人と対戦できることに衝撃を受けた。すぐにやみつきになった。

 

    • ニコ生特有の文化があった。
      • ニコ生はニコ動の延長にあり、ニコニコ文化にどっぷり浸かっているひとが多かった。
        • IOSYSの東方アレンジを聞いたり、遊戯王のMADを見たり、テニミュの空耳動画で盛り上がったり。「真夏の夜の淫夢」もこの頃ニコ動でも流行りだした。*1
      • 年齢層としては高校〜大学生が多かったようだ。
        • 自分は当時のコミュニティでは最年少だった。それもあってお兄さん、お姉さん方になにかと良くしてもらっていた。ご飯に連れて行ってもらったり、引っ越しを手伝ってもらったり。
      • 人気の配信では凸戦争が起こった。
        • どの配信でも1人あたり1戦で回していたが、そもそも30分という枠の中では、対戦できる回数はたかがしれている。
        • 前の人の対戦が終わってから、adonisで対戦申し込み(凸)をするタイミングが重要だった。
          • だいたいいつでも数人が凸をしようとしており、ほとんど抽選のような状態だった。……はずなのに、妙に凸が通る人がいた。
          • 配信者が対戦受付をしたタイミングで、うまいこと自分が凸しなければならない。当時の配信にはまずまずのラグがあったし、配信者によって受付を開始するタイミングも異なる。それらを考慮して、ここだと思うタイミングで凸する。
          • あげくのはてには「凸連打ツール」なるものが開発され、公開された。……が、みんな使ったのでたぶんあまり意味がなかった。
        • 凸できなかった人や、一度配信者と対戦した人がコメント欄で募集することがしばしばあった(枠内募集)。
      • 朝枠という習慣があった。
        • 登校、出勤前の6時~7時台に配信がはじまったりする。この時間はそんなに人がいないので、比較的ラクに対戦できた。寝起きで集中力が高く、いい試合ができることが多かった。
      • お金を払って予約枠を取った。
        • 当時のニコ生は配信枠を予約するのにお金が掛かっていた(バカにされポイントその2)。その代わり、予約枠は追加料金なしで6時間まで配信を延長できた。
        • 土日に大会を開くときは、主催者がこの予約枠をよく使っていた。

 

    • IRC勢とニコ生勢で、コミュニティが大きく二分していた。
      • 花映塚の発売当初からやり込んでいたプレイヤーはだいたいIRCにいた。それに対してニコ生勢は新参が多かった。お互いのあいだにあまり交流はないようだった。
      • 私もIRCには常駐していなかった(まれに入ってはいた)。その代わり「東方弾幕実況」(なんでも実況板)や、「花映塚ネット対戦スレ」(したらば掲示板)に足を伸ばしていた。
        • したらばの対戦スレはハイレベルのプレイヤーばかりそろっているという噂だった。恐る恐る凸をしていた記憶がある。

 

  • 「裏」のStickam

    • プレイヤーがたむろする場所として、配信サイトのStickamがほとんど毎日使われていた。
      • ニコ生と違って、こちらは1枠の時間に制限がない。だらだらとチャットをしたり、延々と対戦したりしていた。
        • とはいえ、ニコ生のプレイヤーが全員Stickamにいたわけでもない。一部のプレイヤーが身内的に集まっていた。
      • 誰かがニコ生で1枠立てて、Stickamでは身内が集まっている状態が基本だった。
        • そのときからニコ生のことを「表」、Stickamのことを「裏」と呼び分けていた。
        • 常にニコ生に1枠はあるようにはしていた。なぜかは分からないが。
    • 私のTwitterはこのコミュニティと繋がるために作った。2009年の12月に開設したが、周りでいっしょに遊んでいた人たちもこのあたりで一斉にアカウントを作っていた。

 

  • 毎週末のオンライン大会

    • ほとんど毎週末、誰かしらが大会を主催して、みんなで参加していた。
    • 同キャラオンリー大会シリーズもやった。確かチルノを除く、15キャラ分開催した。
    • 同人誌『DEHANA』で紹介した「お花見タクティクス」などの特殊ルールもこのとき発明された。
    • 変わり種として「偽名大会」があった。
      • 当時から、adonisのnameをコロコロと変えて凸する文化があった。「偽名勢」というばかばかしい言葉もあった。
      • そういうわけで仮面舞踏会のように、誰が誰だか分からない状態で大会をした。IPでばれないようにルータを再起動して臨んだ。他のプレイヤーの癖のある動きをマネして相手を騙そうとするなど、かなり盛り上がった。
      • 50名が参加して、優勝したのは「ヒメコンゴウインコ」さん。誰だよ。

 

  • 剛魂(ごうたま)

    • 秋葉原で行われていた花映塚のオフ対戦会。だいたい月一で、土曜日の夕方に開催されていた。
    • 「東方波天宮 サーパラショップ秋葉原店」の一角を借りていた。店舗の奥の方、数畳のスペースにPC一台で対戦を回していた。今はもうこの店舗はない。
    • 関東圏のニコ生勢が集まる場になっていた。中部からバスで来る花勢もいたと聞いた。
    • この会は、ikuoさんが運営してくれていた。当時はたくさん迷惑を掛けてしまった。けれどもこういう場を作ってくれて、ほんとうにありがたかった。このときの楽しい時間は、今でも強く記憶に残っている。
    • 「剛魂」を「ゴウコン」と読んで、「今日はゴウコンがある」と呟くとリア充っぽく聞こえる、というネタがあった。



中断期(2011年末~2015年初め)

  • 2011年10月の「紅楼夢合わせオフ」前後を境に、身内の熱が徐々に引いていった。
    • 私はというと、身内でいざこざを起こしたりヘラったりして、コミュニティから少しずつ離れていった。
    • ニコ生との関わりもなくなっていった。剛魂で出会った人たちとの繋がりはかろうじて残っていたが、もうほとんど花映塚を遊んでいなかった。
      • 公園でブーメラン遊びをしたり、バケツプリンを作ったり、徒歩で山手線一周したりした。なんだかYoutuberみたいだ。

 

(つづく)

*1:淫夢」の歴史については、竹本竜都「野獣先輩は淫らな夢を見るか?ー<真夏の夜の淫夢>概説」(限界研『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』pp.331-335)に詳しい。私たちは淫夢が流行しはじめる、ちょうどそのときにニコ動で遊んでいた。

C99新刊/DEHANA+

C99で新刊『DEHANA+(デ・ハナ プラス)』を頒布します。

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表紙イラスト・デザインは柿桜さん(@77ameka)

 

12ページのコピー本で、立ち位置としては今年5月に頒布した『DEHANA』を補うような内容になっています。コンパクトなB5サイズで、A4サイズの『DEHANA』に挟んで保管できます。

 

『DEHANA』は大部の同人誌で、使いこなすのが難しいのではないかと作り手ながら気がかりでした。読み手のニーズは様々ですが、それに合わせてどこを読めばいいかは示しておきたい、そういう狙いで書いたのが、特集記事花映塚困りごと索引」です。困りごとというか悩みごとというか、こういうことが知りたいなぁという目的から必要な情報にアクセスできるようになっています。『DEHANA』をお持ちの方は、必ずやシナジーを発揮してくれるでしょう。

 

また寄稿記事として花映塚奥義全集」「Latency9花映塚攻略」の2本を掲載しています。執筆はてんこさん(@tenko_modoki)。内容はタイトル通り……。どちらも、読んですぐに新しい動きや遊びを実践できるようなものになっています。

 

『DEHANA+』はライト層からコアプレイヤーまで楽しめる一冊です。コピ本だからといって侮るなかれ、花映塚をもっと楽しみ尽くす本として、自信をもってお送りします。

 

サークルDEHANAは2日目(金)東ス-42bです。もちろん既刊『DEHANA』も持っていくので、買いそびれていたという方もこの機会にぜひ。久しぶりのコミケ、全力で楽しんでいくぞ!

webcatalog-free.circle.ms


Discordに花映塚のネット対戦サーバーがあります

discord.gg

 

花映塚ネット対戦サーバー」は2017年に設立されたもので、現在89名が参加しています。ネット対戦の相手を探すのがメインですが、雑談のチャンネルもあります。過去にはここでオンライン大会が開かれたこともありました。現在どれだけアクティブかはともかく、花映塚に興味を持つ人たちが大勢集まっている稀有な場所です。

 

こんな人におすすめ

  • 花映塚の対戦相手を見つけたい
  • ネット対戦のテストがしたい
  • 花映塚について話したい

 

参加したからといってあいさつしなきゃいけないとか、そういうのはありません。また特に身内が集まっているわけでもなく、歴の長い方も最近はじめた方も、あまり関係なくやっているようです。

 

私もたまに募集しているので、よかったら参加して対戦してください。

AIのべりすと短編「ハナの花映塚全一日記」

# この短編は、小説生成AI「AIのべりすと」を使って書かれました。

# 最初の6行を人力で書き、残りはAIに出力してもらっています。

# 展開を作るために、出力結果の一部を直したりしながら生成させています。

# 全体として人力3割、AI7割くらいになっています。

 

ai-novel.com

 

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ハナが花映塚に出会ったのは偶然のことだった。
同人ショップをぶらついていたときに見つけた、落ち着いたカラフルなジャケット。
「東方……花映塚?」
彼女は無類のゲーム好きだったが、こんなゲームは見たことがなかった。
華美な弾幕と対戦型シューティングの奇妙な取り合わせに、彼女は惹かれていた。

 

週末、ハナは親友のリカを誘って花映塚を遊んでみた。
「……なるほどね」
ハナは納得したようにつぶやいた。
確かにこれは面白い。操作も簡単で、弾を避けながら相手の弾を打ち返すだけというシンプルなルール。
「なかなかよくできてるわ」
リカもこのゲームに特別なものを感じたらしい。2人は週末ごとにこのゲームを遊び続けた。
こんなに本気になれるゲームは他になかった。
「ねえ、せっかくなら大会とか……出てみない?」
リカはおずおずと提案する。
「いいわね!出ましょう!」

 

大会当日。会場には100名を超えるプレイヤーが集まっていた。
「おお……」
2人にとって、これほどの規模のイベントは初めてだった。
「楽しみだわ!」
「うん……!」
二人の胸は高鳴っていた。
大会の形式はトーナメント戦。勝ち進めば優勝できるというシンプルなものだった。

 

二人は順調に勝ち進んだ。
「……決勝かあ」「どうしよう」
二人は悩んでいた。
勝戦ともなれば、お互いの手の内は知れている。今までのような戦い方では通用しないだろう。
「……でもやるしかないよね」
「そうよ。ここまで来たんだから」
結局、二人とも決勝まで残ったのだ。もう戦うしか道はない。
ハナとリカは決勝戦の席につく。ぴりぴりとした空気が彼女たちを包んでいる。

 

「はじめ!」
実況の声とともに試合が始まった。
1ラウンド目はお互いに動きがぎこちない。30秒もしないうちに、ハナはリカのC2に被弾してしまう。ライフは残り3.0。
「くっ……」
だがハナの闘志は消えていない。彼女は攻勢に出る。チャージゲージを限界まで消費して、大量のC2をリカに送り込む。
「そこっ!!」
彼女の渾身の一撃がクリーンヒットした。
1ラウンド目はハナが取った。

 

リカは大きく深呼吸した。このラウンドを落としたら負けだ。
「……あきらめないっ」
次の瞬間、リカは一気に勝負に出た。
「開幕クイックC4!?」
突飛なリカの攻撃に、ハナは何が起きたのか分からなかった。しかし、それが最善手であることはすぐに分かった。
「うあっ!」
一瞬にしてラストライフに追い込まれる。でも、まだ負けたわけじゃない。ハナは最大限の集中力でC3を放ち続ける。そう、C2ではなくC3。リカを倒すにはこれしかない。
「くそっ!」
リカの焦った声が聞こえる。あと少し……。もう少しだけ耐えれば勝てる。
「えっ……?」
その時、リカの画面いっぱいに色とりどりの花びらが広がった。
「なに、これ……?」
こんな弾幕はゲームに実装されていないはず。それは幻想的な光景で、リカはすっかり見惚れてしまっていた。一発の弾が自機に直撃しようとしていることも、どうでもいいことのように思えた。
「ハナ……、あなたってやっぱ……強い」
その言葉を最後に、彼女は力尽きた。

 

「勝者、ハナ!」
歓声が上がる。
「やったー!!!」
ハナは思わず飛び上がってしまう。
リカはただそんな彼女をぼんやりと見つめることしかできなかった。

 

こうして、2人の大会は終わった。これまでに一番楽しい時間だったかもしれない。
「また……来年も出ようね」
「もちろん!」
帰り道、二人は自然と手をつないでいた。
「……ねえ、ハナ」
「ん?なに?」
「……なんでもない」
「変なの」
「……うん」
2人は微笑みあった。

(完)