DEHANA紹介⑤「攻略本の華」

お久しぶりです。

なんだか間がかなり空いてしまいましたが、今回は第二章「究める」から「キャラクター攻略」「一人プレイ攻略」の二つを見ていきましょう。

 

目次 

 

キャラクター攻略はトッププレイヤーの思考の宝庫

攻略本においてやはり「キャラクター攻略」は一つの華と言えるでしょう。しかし実は、DEHANAにはすべてのキャラの解説が載っているわけではありません。しっかりとした解説を書けるプレイヤーのいるキャラに絞って原稿を依頼をしました。実際、各キャラの全一クラスのプレイヤーが、各々の持ちキャラの攻略を書いています。それだけにクオリティについては自信を持っています。

 

ちなみに依頼については、こちらからはほとんどオーダーをせず自由に書いてもらったので、人によって書き方はさまざまです。見出しの立て方も、攻略の切り口も、テンションも全く異なります。

 

しかしそこには、キャラ攻略のベースとして、彼らが花映塚をどのように理解しているかが表現されています。各キャラの攻略は、当然花映塚全体の攻略を前提としているからです。これだけの人数のトッププレイヤーの、花映塚理解を一望できる資料は他にはありません。

 

例えばこれは偶然のことですが、「C0避け」というテクニックがnishiさん(霊夢担当)とふぁーさん(幽香担当)の、両者の記事に出てきます。もちろん事前に話し合ったわけではありません。トッププレイヤーの二人が重要だと思ったから、各キャラクター攻略の枠の中にもかかわらず書いたのであり、こういうところから「C0避け」がいかに大切なテクニックであるかを私たちは理解することができます。

 

フォーマットを統一することなく自由に書かれているということは、読み手は各記事ごとに構成からいちいち理解する必要があるということであり、読むのはなかなか大変でしょう。……すみません、ご読労をおかけします。何回でも書きますが、DEHANAを通読するのは並大抵のことではありません。自分のいまの興味に沿って、好きなように、つまみ食いをするように読んでいってもらうのが一番良いものと思います。

 

 

ティアリストの意義

ところで「キャラクター攻略」ではティアリスト(強さランキング)について詳述しませんでした。「用語集」の中で「~と語られることが多い」「~と呼ぶことがある」くらいの調子で書きましたが、断定系ではありません。人によって議論のあるところでしょうし、ほどほどにしておきました。

 

ティアリストは、様々なゲームで、リリースされてすぐに議論になるテーマです。花映塚においては、そもそもティアリストにどのような意義があるのでしょうか。

 

花映塚は非対称なゲームです。16人の性能の異なるキャラから2人を選んで対戦します。つまり最初から有利・不利が発生しています。そしてそのような有利・不利の状況認識から、勝つために自分の行動を変える必要が出てきます。

 

ここで、勝利を目指す行動を決めるためにティアリスト(正確には「相性の知識」)が必要となります。例えば「この組み合わせは自分が不利だからどこかで無理を通す必要がある」とか「有利だからスペルポイントは切らずに開花状態を維持しよう」というように判断をするわけです。

 

そのうちに、そこに色々と人間的な意味付けがなされていきます。どのキャラが一番強いのか、たとえプレイをしていなくてもそういう知識を得られると私たちはどこかで満足するものではないでしょうか。さらに一歩進んで、「強いキャラを使っているから勝って当然だ」とか「相性有利で負けたら恥ずかしい」というように考えるプレイヤーも出てきます。そんなことはゲームの中にはどこにも書かれていないのに。

 

こうした「おしゃべり」がコミュニケーションや楽しみに繋がる限りではいいのですが、プレッシャーや押しつけになるようであればむしろ害でしょう。これはとても実践的な(普段から私たちが直面するような)問題で、ほどほどのところを知る必要があると思っています。コレガムズカシイ。

 

 

思い立ったらすぐ遊べる「一人プレイ」

さて「一人プレイ」の項目では、スコアアタック・LunaCPU撃破・縛りプレイ・RTA(リアルタイムアタック)を扱っています。こちらもやはり、それぞれのカテゴリの全一クラスのプレイヤーが寄稿してくれています。

 

一人プレイの良いところは、思い立ったらすぐに実行できるところでしょう。対戦であれば相手を探して、時間を合わせて、やりとりをしてとなかなか大変ですが、一人プレイはやりたいときにやりたいだけ遊ぶことができます。

 

興味を持った楽しみ方を見つけたら、軽く読んで実行してみることをおすすめします。ポイントは、ガチガチに読み込まなくてもよいということ。私などは、アドバイスを一つだけ携えてワンプレイするのが楽しいです。成果が出るし、段階的に理解も進んでいきます。

 

ちなみに、花映塚のスコアアタックは近年進展が目覚ましい分野です。2008年の花映塚攻略本『アル花ディア』では「他の東方作品と異なり運要素が強すぎるので、スコア稼ぎメインの人はあまりいない…と思う」(p.11)とされていたのですが、2010年代を通じて独特の攻略が確立されてきました。

 

ちょうど最近、「東方ワールドカップ2021」というイベントの中で花映塚のスコアタ対戦が行われました。「スコアアタック概論」を読んだら、合わせて録画を見るとより楽しめます。ちなみにWest代表で出場しているDagoth2huさんには、「スコアタ各キャラクター攻略」の「妖夢」攻略を書いていただいています。

youtu.be

 

スコアタはまた、DEHANAの製作期間にも攻略が進みました。るろるぅさんにより、花映塚でも「状況再現」というテクニックが可能であることが分かりました。CPUの挙動が解明され、「三つの弾避けモード」として明確に言語化されました(p.97のコラム)。原稿を書いている期間に、全一スコアがいくつかのカテゴリで更新されるようなこともありました。なかなかホットな分野になっています。

 

では今回はこんなところで。

dehana.booth.pm