DEHANA紹介⑥「外へ!」

いきなりですがお知らせです。9月10日(金)の夜から、DEHANA電子版(PDF)の販売を開始します。書籍版と異なり全ページフルカラーです。また章や見出しごとにしおりが付いており、目的の記事を探しやすくなっています。PDFで読みたいという方はぜひぜひお求めください!

dehana.booth.pm

 

さて、これまで連載してきたDEHANAN本誌の紹介は今回でおしまいです。ラストは第三章「拡げる」について。ここでは、ふつうにストーリーモードを遊んだり対人戦をするのとは違う遊び方を紹介しています。16年間でコミュニティが発明してきた遊びの軌跡です。いわば花映塚の可能性を「拡げる」章であり、ここを読むことで自分なりの楽しみを見つけられるようになっています。

 

今回は記事ごとに見ていきましょう。

 

目次

 

花映塚のいろいろな遊び方

章の最初に配置されているとおり、様々な遊び方をざっくりと紹介しています。全体の見通しをつけるための記事で、もっと知りたいと思ったら、それぞれを詳しく解説した記事に飛べるようになっています。


ここに載っている、さまざまな記録のまとめも活用していただければうれしいです。スコアボード(Maribel Hearnさん)とタイムボード(めど)、また対人戦における最長対戦時間(p.121, yetさん)の表は、自分で遊ぶときの指標として役に立ちますし、仮想的な張り合いの相手として挑戦することもできるでしょう。

 

花映塚のバグ事情

花映塚の戦績記録ツール「花の記憶」など、花に関する各種ツールを開発しているろくしーさんによる渾身の記事です。花映塚のバグを一覧できる資料は他になく、具体的な再現方法まで掲載しているのがウリです。ろくしーさんはこの記事を書くために、日々花映塚を起動してはバグを探していました。

 

ちなみにDEHANAを入稿してから、花映塚にチートコードがあることが判明しました。「Result」ページで特定のコマンドを入れると、隠しキャラであるルナサとメルランが開放されるというものです。残念ながら本誌には反映させられなかったので、ここで紹介しておきます。

 

ほんとに花映塚は底が知れないゲームです。オフ会のたびに、早く設営しては現地でキャラ開放のためにストーリーモードをプレイしてたのは何だったんでしょうね。

 

「夢時空」から見た「花映塚

夢時空と花映塚の両方に精通している、中国のプレイヤーFSXさんの記事です。私からぜひにとお願いしてこのテーマで書いていただきました。

 

両ゲームのシステム上の差異に注目して、花映塚のルーツを探るという資料的な記事になっています。花映塚というゲームの、あの不思議な手触りがどのようにしてできたのか、それを理解する手助けになります。


また「夢時空」の手短かなガイドにもなっている点も見逃せません。夢時空はPC-98ゲームということもあり現在では遊ぶことが難しく、日本語で読める資料は多くありません。夢時空の楽しさや遊び方を伝える、貴重な内容になっています。

 

花映塚へ至る道筋という観点でいえば、実際には夢時空の前に「ティンクルスタースプライツ」があるわけで、そことの違いに注目してもおもしろいと思います。しかしそれはまた別の機会に。

 

オンラインとオフラインの対戦環境の違いとその対策

花映塚のオフイベントを長年オーガナイズしてきた柿桜さんの記事です。柿桜さんは、2018年に博麗神社社務所が主催した公式大会「東方コロシアム 花映塚編」の優勝者でもあります。なんと263名の頂点!こうした実績を持つ柿さんに、オフで全力を発揮するためのコツを伺いました。


ここで分析・解説されているのは、花映塚に限ったことではありません。ふだんと異なる環境で「本番」を迎えなければならないときにいかに安定したパフォーマンスを出せるか。柿桜さんの考え方は、他の場面でもきっと活用できるでしょう。

 

オンライン大会開催ガイド

執筆者、私。花映塚は、もーほんとうに厄介なゲームで、大会ひとつ開催するにもたくさんの困難があります。これまでのオンライン大会経験をもとに、オンラインではどういう問題が生じうるのかと、実際にどのように対応すればいいのかをまとめました。


大会とかあまり興味ないよーという方も、記事の最後にまとめた「「花映塚」というゲームが持つ特性」は知っておいて損はないと思います。こういう、プレイヤーが前提として了解していることって、なかなか言語化されてなかったりするので。

 

海外の花映塚コミュニティレポート

日本に16年の歴史があるならば、世界各地にも同じような歴史があるはず。じゃあ聞いてみよう、ということでインタビューしてきました。


詳しくはインタビューを読んでほしいのですが、世界各地で小さなコミュニティが生まれ、盛り上がり、そして解消あるいは合体していくプロセスの一端が語られています。やはり言語の壁は大きく、国というよりは同じ言語圏でまとまる傾向があるようです。


あとはネット環境がゲームの遊び方に与える影響は興味深いですね。ネットの速度が遅いと、操作遅延やラグが発生し、まともにゲームができなくなります。快適にネットで繋がれる範囲が、ひとつのコミュニティの範囲になる傾向が、もしかしたらあるのかも。そういえばゼロ年代では、日本国内でも距離が離れていると対戦が難しいということがあったようですよ。

 

用語集2021

合計192の花映塚用語を50音順で整理しました。項目には、必要に応じて参照先を付けているので、「索引」のように使うこともできます。何かを調べるのに使ってもいいし、だらっとゆるく流し見するのもよしです。私が好きなのは【や】の項目。


用語集を作るというのははじめての経験で、どうやって作ったらよいかを方法から考える必要がありました。思いつく単語をやみくもに出していくだけではきっとヌケやモレが生じることでしょう。

 

だから最初に単語のカテゴリを設定しました。大カテゴリとして「ゲーム内」と「ゲーム外」を考え、その下に小カテゴリを追加していきます。例えば「ゲーム内」の小カテゴリは「弾の名前」「エキストラアタックの名前」など、「ゲーム外」は「STG用語」「配信サイト」などです。これ以上小カテゴリが作れない、つまり「花映塚」全体をカバーしたと思ったところで、カテゴリごとに具体的な項目を書き出していきました。


ちなみに『アル花ディア』(2008)の用語集からも、いくつかの単語を収録しています。そのまま使えるものはそのままに、時間が経って内容が古くなったものは適宜書き換えています。

花映塚オフ・大会の歴史

誤解のないように改めて書きますが、ここに載っているのはこれまでに行われてきた花オフや大会の一部です。実際にはこれよりもっとたくさんオフ会が行われています。


私としてはA4の見開きでバーンとこの表を載せられて満足です。過去の記録を漁ったり関係者に伺ったりしてデータを埋めていったのですが、どうしても分からないところ・裏とりができないところが結構ありました。空欄になっているので、「俺は知ってるぞ」という方はぜひ自分でマスを埋めちゃってください。

 

 

以上、各記事の紹介でした。花映塚の拡がりを実感してもらえたでしょうか。過去から現在へ、国内から世界へ、花映塚の楽しさは今も拡がり続けています。