「花映塚と戦略」origami氏へのインタビュー:前編

花映塚と戦略」というテーマでインタビューを行いました。

「戦略」とは、このゲームにおいて、「○○して勝つ」と言うときの○○に入るもっとも包括的なものです。あらゆる戦術やテクニックの良し悪しを判断するための基準となるための考え方であります。実例としてはアル花ディアのpp.16-17に書いてあるようなことです。

 

大テーマは戦略ですが、私の関心によって話の方向があっちへいったりこっちへいったりしています。あまり構成的ではないですが、いちプレイヤーの考えをまとまった形で提示することに意義があるかと思い、書き起こしました。

 

 登場人物

めどつ:インタビュアー。2009年からニコ生で花映塚を始めた勢力の一端。最近は専らTwitterで対戦募集してます。ご意見ご批判はこちらの方へお願いします→@medotsu_

 

origami:Twitterをメインにネット対戦をしている映姫使いプレイヤー。レイマリ、映姫小町、妖夢妖夢を中心に総対戦数は4500を超える。最近は、レイマリをそれぞれ100戦ずつガチ対戦するという企画を始めたという週末やる気勢。ニコ生コミュニティhttp://com.nicovideo.jp/community/co2026794twitter:@offertory_box

 

 「戦略」について

めどつ:今日はよろしくお願いします。まずは「戦略」として、どうやって花映塚で勝とうと考えているのかを大づかみに教えて頂けますか?例えばアル花ディアでは、戦略を攻撃型と防御型に分けています。

 

origami:私は相手を落とすタイプです。というか、強い方とやっていても相手が落ちてくれないんですよね。もちろん、相手が序盤被弾が多いような人であれば、こちらは防御型でのらりくらりとやっていれば勝手に落ちてくれるわけです。相手が強いとそんなことをしてたら、あっという間にこっちが落ちてしまいます。だからそこは相手によって変えています。

個人的にはいまは火力を上げて押しつぶす方向でプレイを組み立てようとしています。ただそれでもC2はあまり使ってはいけないという制約があります。この、C2をなるべく制限しながら火力を高めるというのが最近考えていることです。

 

めどつ:C2を撃ちたくないというのは相手にゲージを与えたくないということですか?

 

origami:そうです、それがメインです。そもそもゲージを与えてしまうのであれば、どれだけ火力があろうが、ゲージで凌いでいけばいいというだけになってしまいます。勝手にミスをしてくれる相手ならともかく、そうでないプレイヤーに対してはまずゲージを枯らすということが必要です。その上で更に火力を足していくという仕方でないと落ちてくれないわけです。

 

めどつ:するとかなり攻撃的なタイプの戦略ということになりますね。

 

origami:そうですけど実際やっているのを見るとそうでもないという感じが…(笑)。

 

めどつ:私はかなり防御型の人間なので、こういう話は刺激になります。

 

origami:というかめどつさんは、結構ひとによってやり方変えてませんか?自分とやるときはそうでもないけど、simpeyさんとやるときは、異常なまでに序盤にボスを送らないようにしていますよね?なんでこんなに戦い方を変えているんですか?

 

めどつ:うーん、人によって変えていることはいまはあまりないですね。多分そのときどきで試しているところをたまたまそう捉えられたのかなと思いますね。

ただ自分はマリレイの魔理沙側に関して言えば、防御型で戦略を組んでいる以上、勝つためには開花にはいることが前提条件で、そのためにはできるだけ時間を使っていくことが重要だと思っています。どちらかが10万点を溜めてボスアタックが出てしまえば、そこからボスの行ったり来たりの往復が始まって、時間を稼ぐという点では難しくなっていきます。そういう考えから、自分からは絶対に送らない、向こうから送ってくるのを待つというのが私の基本の構えです。ただ序盤に目算誤って10万点を回してしまうこともありますが…。

戦略が違うとこのようにプレイングも変わってくるのが面白いと思いますが、魔理沙使いのorigamiさんとしては…。

 

origami:私魔理沙使いじゃないですよ。

 

めどつ:え?!

 

origami:私は映姫がメインですね。魔理沙は自分が使えないから使っている感じです。

 

レイマリ、魔理沙側について

めどつ:そうですか、勝手に魔理沙メインかと思い込んでいました。最近とくにマリレイをやってらっしゃるようですので。origamiさんとしては、この組み合わせで魔理沙を使うときは何を考えているんですか?

 

origami:魔理沙に関してはゲージを回すことをメインに考えていますね。最近よく分かってきたのは、C1をあまり使わないほうがいいということです。花映塚って結局は連爆をしてたくさんヒット数を稼がないとゲージが溜まっていかないので、魔理沙のC1はなぎ払いをすると、弾がたくさんあるときはいいんですけど、弾がまばらなときに一気に消してしまうと、その後が大変になってしまうんです。

 

めどつ:白弾を消せない時間ができてしまうということですね。

 

origami:そうです。ですので連爆をすることで時間を稼ぐことが必要なんだと思うようになりました。

 

めどつ:妖精や幽霊の弾消しリングが自陣に発生している時間を長くしたいと。

 

origami:その通りです。魔理沙のC1を頻繁に使うと、連爆が大きくならず、ヒット数もまた稼げずという状態になってしまいがちです。もちろん使える状況であれば振ることはあります。相手の霊夢C2のリングの発生にC1を合わせることで、弾源から白弾を消すようなことはよくやります。しかしそれ以外には横薙ぎに振ることを多くするのは、白弾を全然消せない状況を多く作ることになります。

 

めどつ:それでゲージを溜められなくなっていく。

 

origami:加えて横薙ぎをすると全部の弾消し要素を消してしまうので、その後に白弾がやたら降ってきてしまうんですよね。ですので横薙ぎではなく、その場で出して起爆するような使い方でないと、どんどんゲージ的に厳しい状況に追い込まれてしまいます。

 

めどつ:あまり薙ぎ払う立ち回りをしないということは確かにorigamiさんのリプレイから感じますね。C1の無限コンボヒットを回す意味でも私は薙ぎ払いはあまりよい立ち回りではないと思いますね。

 

おくりものシステムについて

めどつ:今の話を聞いた感じでは、おくりものシステムの行き来についてかなり考えて戦略を練っているのでしょうか?白弾のコントロールとか。

 

origami:白弾のコントロールのようなことはあまりやってないですね。

でもとりあえず自陣に降ってくる弾でそのまま降らせていてはいけない弾があるじゃないですか。例えば霊夢のC2のリングの白弾は消さないと酷いことになるとか。そのC2の打ち返しが更に打ち返されて猛スピードで飛んでくる白弾とか。こういうのは意識して消すようにはします。

あとは相手が自陣に白弾を降らせてくるタイミングには濃淡がありますよね。なのでそれに合わせて妖精列をキープしておいて、それを用いて消していくようなことはしています。

 

めどつ:もうすぐ白弾がたくさん降ってくるから、妖精列や霊をキープしておこうということですね。

 

origami:相手のチャージ音を聞いてそれで連爆材料を保持しておこう、とか考えますね。

 

めどつ:おくりものシステムをどうコントロールするかという点は私はあまり考えていなかったので参考になりますね。

私は攻撃型の戦略を、自他のゲージ差を作っていこうとすることだと理解しています。ゲージ差を作るためには、例えば白弾を相手に消させないようにするということを考えることになるし、そのためにはどうするかを考えるならば、まさにこのおくりものをどうするかが焦点になるのかなと思っています。

 

レイマリの開花について

めどつ:レイマリ魔理沙側の開花についてですが、いくつか見たりリプレイでは低い段で弾幕を捌いていることが多かったように見受けられたのですが、これはなにか考えがあってのことなんですか?

 

origami:いや意図はないです、押し込まれてます(笑)いや開花時の動きはほんとうに難しいじゃないですか!もちろん上がりたいんですけど、うまいこと上がるには弾を縫っていかないと上がれないんですよ。

 

めどつ:高いラインを持ちたいというのは認識しているんですね。

開花状態ってもしかしたらC2を撃ってただ機械的に振っていればいいという人もいますけど、妖精と幽霊をちゃんと見てどこが弾幕が薄くなりそうかを予測することはできるのかなと思います。私はそれでもってなんとかラインを上げるよう努力してはいますね。

 

origami:それやってたんですけど、私はうまくできませんでしたね。

開花中に主にどこに注目するかということですが、霊夢側に関しては、妖精列がどこから来るかと活性霊をどのように作るかをメインで見ています。

しかし魔理沙を持った場合、同じやり方で左に動くか右に動くかを判断していた時期もあったんですけど、あんまり効果が見受けられませんでした。結局はC2の誘導をメインに見たほうがいいというのが私の考え方です。C2の誘導がうまくできかった場合、動ける範囲が大きく制限されることになります。どういう形でC2を寄せていくかを主に考えて、左右の移動の選択をします。ただしゲージが枯れてきて危ないというときは、もちろん妖精と幽霊を見てその方向に動きます。でもゲージがふんだんにあるときは、そんなのはどっちだっていいわけですよ。そういう風にC2の誘導を考えてますね。

 

めどつ:チャージ速度の差から、同じ動きさえしてればいいという話ではないわけで、逐一よりよい動きを考えなくてはならないのですね。

 

レイマリ、霊夢側について

めどつ:霊夢側に関してはどういう考え方でしょうか。

 

origami:霊夢側はなるべくボスを抱えないことです。魔理沙を使っているときは50万点を回すことをよく考えるのですが、霊夢側は切れるときがあれば即座に切ってますね。魔理沙使ってくる方で、うまく点を切ってくるかたは結構限られますので。

 

めどつ:うまいこと点を切るというのは、50万点になったらすぐに点を切ってまた回してくるということですよね。

 

origami:そうです。それに加えて、開花に入るまでに一被弾を取っておきたいというのがあります。霊夢のボスアタックはかなり凶悪なので、なるべく押し付けて開花前に被弾を取っておきたいんですよね。開花に入った場合魔理沙プロはまったく被弾しないので、なるべくそれ以前での被弾が欲しいんです。そういう考えからC2は結構絞ります。なるべくC2を戦力をしたくないんです。霊夢のC2を渡すと、上手い人ならそれに合わせてしっかりと弾消しをしてくるので、それでどんどんゲージを伸ばされてしまいます。そういうわけでC2以外の攻撃で相手にプレッシャーを与えたい。それでボスの押しつけとなりますね。

 

めどつ:序盤のC2を絞って、ボスを押し付けて、開花以前に被弾を取る。かなり明確な戦略ですね。

 

origami:どちらかというとメインが霊夢なので(笑)。あまりにも自分の魔理沙がしょぼいので最近練習中です(笑)。

 

めどつ:先程少しお話いただきましたが、霊夢側での開花ではなにを考えますか?

 

origami:とにかくゲージを回収できるように立ち回る、ということだけですね。

霊夢の開花って、上に出てゲージを回収しようとする方と、下のほうでちょこちょこと動き回ってやる方と2パターンありますね。上に出るタイプの方は、上のほうで救霊展開して、その霊で連爆させるというものです。それに対して下のほうで開花しようとする方は妖精列をメインの連爆源と見ているのだと思います。上タイプは幽霊をメインに、下タイプは妖精列をメインにしてゲージを回すというやり方だと理解しています。ただ下で動く方のことはよく分からないですね、多分そういう方は連爆の仕方がうまいのだと思うのですが。私は上に出ていくタイプです。

 

めどつ:私が昔聞いた話ですが、打ち返しとしての白弾をできるだけ相手に送りたくないと考えている方がいらっしゃいましたね。下の方で立ち回るのは、明らかに上のほうでの立ち回りよりも白弾を消せないわけで、それによって相手に送られる白弾の量も減る。こうやって魔理沙側のゲージに干渉しようとしているようでした。効果の程はわかりませんが、攻撃的な意図でリスクを負ってやっているのだと思います。

[編集時補足:これは私の記憶違いです。正確には、「開花に入る前の段階で」ゲージ差をつけるためにこういう戦略を考えている、ということです。]

 

origami:なるほど、うーん。するとC2を撃ってもすぐチャージするというわけではないわけですよね。それはかなり気合力の要る戦術ですね、すごいというかなんというか。

 

(後編へつづく)