「花映塚と戦略」origami氏へのインタビュー:後編
この記事は前編のつづきです。
どのように花映塚を攻略するか
めどつ:こういう話で思い出すのは、花映塚って原因と結果をしっかりと特定するのがとても難しいゲームだということですね。なにかが起こったときに、それが自分の意図によるのか、相手の意図によるのか、あるいは意図しない行動が結果的にそれを引き起こしたのかもしれない。自分なりに仮説を立てて検証しないと、戦略は積み重なっていかないことを痛感します。
origami:そうですね。同じことをしても相手によってすごく展開が変わったりして、これはほんとうに合っているのかどうなのか…。あるときはうまくいったのだけど、違う相手だとなんかうまくいかないなというのが頻繁にあって、攻略の難しさを感じますね。
めどつ:難しいのですが、いまでもこのゲームをやるようなプレイヤーはきっとそういうものを持っていらっしゃると思います。そうでないとこのゲームを遊び続けることはできないとまで思います。ただせっかくならばそういう仮説を、私は戦略と呼びますが、もっと公共化してほしいというのが私の願いです。
origami:それならもっとうまい人に聞けばいいのに(笑)
上手い人いっぱいいるじゃないですか、いまはやってない人でも、むしろやってない人のほうが滑らかに色々答えてくれるんじゃないですかね。
めどつ:それは確かにそうですね(笑)
ただ色々な方に聞くことには意味があると思ってますよ。それぞれの方がそれぞれなりにどう攻略しているのか、私は内容的にも手法的にも興味があります。
特に誰かの攻略よりも、他の誰かのもののほうが優れているとは言えないと思っています。例えば原作のスコアアタックであれば正解がひとつに定まっているのではないかと思います。ゲームのルールは明確に定まっているわけなので、そこに到達できる(知りうる)かどうかは別にしても、論理的に正解があると言える。これに比して花映塚では、かなり微妙な話ですが、そういう正解がないと思います。それだけに各人がどう考えるかは一定の意義があるし、私はそういう考え方で他者に接します。
試合中の視点、意識の持ち方について
めどつ:少し話が変わりますが、試合の最中にどこを見ていますか?どこに意識を向けているかを教えてください。相手のゲージをよくみる人もいれば、スペルポイントを見る人もいますし、そうかと思えば、自分のスペルポイントすら見ない人もいると思います。
origami:うーん、自分のスペルポイントですかね。
相手のスペルポイントはまあチラ見はしますけど、自分のスペルポイントを基準にして考えているので。自分のポイントが30万点を超えたときくらいしか相手のポイントは気にしないですね。もちろん自分のポイントが50万を超えたときには、相手のポイントが切れているかどうか確認します。私は点切りがあまり得意ではなくて、この状態からボスを送られるのが嫌ですね。
めどつ:30万点というのを基準にしているんですか?10万点を超えるや点を切ろうとするプレイヤーもいますが。
origami:それは白弾の量によりますね。序盤は弾が少ないのでなかなかスペルポイントを伸ばしにくいということがあります。そういう場合は10万点を基準にして考えますが、大抵は30万点ですね。そこで相手の点数を確認して、切るかそのまま繋げていくか判断します。基本的にスペルポイントは自分のほうが相手よりも低いほうがいいわけですからね。
めどつ:ゲージについてはどうですか?
origami:相手のゲージは全然見てない…というか自分のゲージも全然見れていないので、そこは考えていないですね。見れないので正確には分からないですけど、白弾の振ってくる量や、相手のチャージの頻度によって感じ取るくらいはしますけどね。
めどつ:すると相手陣には視覚的にはあまり意識を向けていないのですね。チラチラ見てもガン見することはない?
origami:ガン見しても自分が被弾するだけですからね(笑)
最初に言ったことと逆になるかもしれないですけど、自分が被弾しないことが最優先なので、相手のことを見ていてもしょうがないと思ってますね。見るということであれば、白弾をどうやってうまく消せるかと、自分のスペルポイントのふたつですね。
めどつ:自陣を見ているっていうことですね…っていうと当たり前のことを言ってるようですが(笑)。確かに自分がちゃんとスペルポイントをコントロールできてさえいれば、相手のスペルポイントがいくらであろうと問題ないですからね。
origami:その通りです。50万点を送るときも、自分がその後に点を切れると思うならいく、という感じです。相手のポイントは関係ないです。
キャラ選択
めどつ:大体Twitterなどではレイマリ、小町映姫、リリカリリカ、妖夢妖夢などをやられている印象がありますが、それ以外の組み合わせは普段やられているんですか?
origami:相手によりますね。私は相手の得意なキャラに合わせて選択します。自分はなにつかってもいいと思っているので。
霊夢同キャラについて
めどつ:霊夢同キャラについてですが、昔からこの組み合わせはこのゲーム随一の運ゲーというように言われることが多かったと思います。
origami:確かに聞いたことがありますけど…。それほど運ゲーでもないと思いますけどね。運ゲーっていっているプレイヤーは陰陽玉の軌道が見えてないだけですね。見えてれば運ゲーにはたぶんならないです。妖夢のEXアタックが、見えない人には見えないのと同じようなものかなと思いますね。見えているかどうか。
めどつ:ということは他の組み合わせと比して特に運要素が高いとは思わない?
origami:別に思いません。全然運ゲーじゃないです。
小町映姫について
めどつ:小町映姫の組み合わせも多いですよね。まずはどちらが有利かという話だとどうでしょう。
origami:私は時間によって違うと思っています。2分半までは小町が強く、そこから3分半までは映姫が強く、その後4分半くらいまでは同等で、そこから先は小町有利です。
めどつ:かなり細かく攻略されているようですね。
origami:私のメインが映姫なので(笑)。他のキャラよりかは色々と考えてきました。
めどつ:そこまで細かく分ける方はあまりいないですよね。大体開花になればどっちが有利、それまではという分け方がよくされていたように思えます。4分半をひとつの基準にしているようですが、それはどういう理由でそうしているのですか?
origami:小町が有利というか、その時間以降の映姫の弾幕が別に苦じゃなくなるということですね。ゲージの話として映姫側のC2はたくさんの白弾を吐くので、ゲージが回らないっていうことがないわけです。開花に入って少し入りさえすれば、ゲージの問題はなくなります。
私の経験上、そこまでいけば小町は使っても使われてもかなり勝率が高いことが分かっています。その前段階の4分半まではどっちもどっちで、点を切ったりごちゃごちゃとやらないとゲージが回らなかったりということがあります。しかしあるしきい値を超えたときに、映姫側を使うよりも、小町を使うほうがすごくやりやすい。こういうことが理由ですね。
めどつ:4分半以降の差異は、すると弾幕の捌きやすさというところにあると。
origami:そうですね。このくらいまで持つことができるようなプレイヤーは、映姫の弾幕の高速卒塔婆とかするっと避けていくんですよね。そこまでいけないようなプレイヤーにとっては開花中の映姫の弾幕ってキツイんですけど、そこまで持つプレイヤーは気合力が全然違って高速弾にも対応できるんですよね。
めどつ:そうすると小町弾幕を相手に開花するのはもっと難しいと思ってるようですね。
origami:あまりそういうわけでもない…。基本的に小町と映姫を操作する場合、映姫は足が早すぎるんですよね。なので事故率が映姫側に高いんです。そして映姫は前に出て救霊をしてゲージを稼いでいかないと、ゲージが回りにくいことが多いです。こういう理由から小町のほうがやりやすいと感じている、のかな。そうだと思います。
リリカ、妖夢について
めどつ:ちょっと時間もなくなってきたので巻きでいきます。リリカ同キャラはどうでしょう。なにを考えてやってますか?
origami:リリカは、うーん、こいつなんなんでしょうね(笑)。目がよく見えるときと、精度がいいときは勝てます。そうじゃないときは勝てないです。以上です(笑)。
リリカ同キャラは、C2を撃たれたときにワインダーをちゃんと抜けられること、軌道を覚えておくのはもちろんですね。それからゲージを持っておくということが大事です。リリカ弾幕は厳しいように見えて、そうでもないことが結構あります。見た目は無理でも実際はそんなに当たる弾がなかったりする。なのでそこでC2を使わないで、上手な弾消しでゲージを温存することがコツかなと思います。
めどつ:割りと基本的な花映塚の攻略という感じですね。このゲームで縦救霊と横救霊のキャラはなにを思ってそれをお前は持ってきたんだって思うことがありますね。魔理沙は除いて。
origami:横救霊については私もそう思いますね(笑)
めどつ:最後に妖夢に関してはどうでしょう?
origami:妖夢は私はうまく動かせないんで、どうでもいい…。妖夢はごちゃごちゃ面倒くさいんですよね、やることいっぱいあるんですよ(笑)。でもこのキャラは結局気合があればなんとかなるんですよね。だからいいや、みたいな(笑)。
妖夢は専門家がたくさんいらっしゃるのでそちらに聞いてください(笑)。
どうしていま花映塚を遊ぶのか
めどつ:最後の質問として、趣向が変わるんですが、どうしていま花映塚をやっているのかについて教えてください。
origami:なんで…って、別に。いやなんでって言われても困ります(笑)。うーん、じゃあ楽しいから?ということで。
めどつ:ありがとうございました。