私と花映塚コミュニティ(後編)

この記事は、私と花映塚コミュニティ(前編)の続きです。

dehana.hatenablog.com

 

目次

 

再開期(2015年初め~2016年10月)

  • やり残し感

    • ふと、花映塚がうまくなりたいと思った。これだけ歴が長いのに、自分は全然上手くない。今一度このゲームに取り組みなおそうと思い再開した。
      • 「今一度取り組みなおす」といいつつ、それまでは大して強くなろうとも思っていなかった(と思う)。そういうことは口にしていたかもしれないが。以前の自分は、身内で繋がって同じゲームで遊べればそれで十分だった。
    • このときは結構まじめにゲームに取り組んだ。
      • LunaCPUを相手にしたマッチモードでの一人プレイ、トッププレイヤーのリプレイを観て分析、プレイするたびにノートに気づきを書くということをやった。
      • このときに言語化したものが『DEHANA』の攻略文章になった。

 

  • 当時のニコ生コミュニティ

    • 自分と同時期にニコ生で遊んでいた人たちの大半は花映塚をやめるか、ネットから消えていた。
      • ニコ生で遊んでいる人たちはいたが、顔ぶれはガラッと変わっていた。
        • この時期ニコ生でよく花映塚配信をしていたカイワレさんから、当時遊んでいたプレイヤーの名前を伺った(これは最近のこと)。30名弱のハンドルネームを教えてもらったが、私の知っている人はほとんどいなかった。世代交代が起きていた。
    • 配信の身内感が強く、入っていくことに抵抗があった。
      • よく分からない定型コメント、特定の誰かに対する強いいじりなど。イニシエーションが必要なのだと感じた。
      • 同時に、自分たちが初期にやっていたのはこれだったのかと気づいた。もしかしたら、ただゲームを遊びたい人にそれ以上のことを要求して、排除してきたのではないかと考えて恐ろしくなった。
      • コミュニティを広げるということは、単に身内を増やすことではなく、「他者」を取り込んでいくことも含まれているはずだ、とも思った。
        • しかし他者は恐ろしいので、身内で凝集しようとする。同じノリが通じるひとだけが入れる同質的な空間を、当時の私たちは維持しようとしていた。
          • こと花映塚というゲームは、マッチングのためにいちいちチャットでコミュニケーションをとる必要がある(勝手にマッチングしてくれる近頃のゲームと比較して)。そのコミュニケーションにまつわるコストを下げるために、身内を作ることはたしかに有効だった。
          • 淫夢語録もそういうノリのひとつだったのだろう。今でもそれは機能している。

 

  • ツイッターの対戦コミュニティ

    • Twitter上で対戦相手を見つけられるbotがあり、かなりの頻度でマッチできていた。

      • @Kaeibotを使っていたが凍結されている。現在はみぞるさんが作った新しいbot@th09botが使われている。

    • 自分と同じくらいのレベルのプレイヤーを相手に延々と対戦していた。

      • shimpeyさん、origamiさん、柿桜さん、azyさん、FSXさん、yetさんとよくやっていた。

      • このあたりで実力が一気に伸びたのを実感した。ちょうど良い相手と切磋琢磨できたのが本当にありがたかった。

    • 「花十」(はなじゅう)という遊び方がはじまった。

      • 霊夢魔理沙や映姫小町など、ひとつの組み合わせで10本先取の対戦をするという遊び方。

      • 当時日本最強だった(と私が思う)2人、nishi_hanaさんとobtさんがよくやっていた。

      • 後に「花十」はもとの意味が徐々に薄れ、単に長時間の連戦のことを指すようになっていった。

 

DEHANA期(2016年10月~)

  • ブログ「DEHANA」の立ち上げ

    • 主なモチベーションは、当時の対戦相手が何を考えているのかを知ることだった。

      • 正直なところ、花勢がゲームについて話していることがよく分からなかった。対戦後の挨拶でも、対戦について一言添えてくれることが多かったが、よく分からないことがあった。

      • もしかしてみんな、よく分からないでそれっぽいことを言い、お互いに分かったふりをしているんじゃないかという疑いさえあった。

    • ということで(邪)、当時よく対戦していたプレイヤー2人にインタビューをした。

      • origamiさんazyさんへのインタビュー。インタビューの方法もよく分からず、空手でやっていた。しかしひとの語りは面白かった。

    • 「DEHANA」はこのインタビューの記録を残すためのブログだったが、私の興味にしたがって、その後いろいろと話題が拡散していった。

 

  • 柿桜さん主催の花映塚オフ

    • 2014年から2019年まで、年2回定期的に行われた。例大祭合わせで3月に東京、紅楼夢合わせで10月に大阪。
    • 私は東京のほうだけ参加していた。ぽつぽつと新規の方も来てくれていたようだったが、だいたいは同窓会のようになっていた。

 

  • 花映塚ネット対戦Discordサーバーの立ち上げ

    • 2017年の中頃には、Twitterでの対戦募集も下火になりつつあった。そこで新しいツールであったDiscordに目をつけた。
      • Discordはマッチングに便利なツールだった。
        • オンライン状況が見えるので、マッチングの可能性が読みやすい。ツイートに比べて、チャットでの感想戦がしやすい。
      • 身内感の少ない、ゲームを遊ぶための「場」があればいいなと思った。
    • とはいえプレイヤーが集まらないことには機能もしないので、周りで一緒に遊んでいたプレイヤーにTwitterでDMしていった。
      • Discordは今でこそ多くのゲーマーが使っているが、当時はむしろ少数派だった。

 

  • 海外勢との交流

    • TwitterやDiscordを通じて、海外コミュニティの存在、そして所在がわかり、交流が進んでいった。
      • ブログを書いて発信し続けたことが大きかった。
      • 交流の成果の一つが、knegさんの"PoFV Tournament Archive" 
        • ここに日本のトーナメント情報を提供した。日本の情報を取りまとめる段でも、私とは面識のない古参の方々からたくさんの情報をいただいた。
      • また、同人誌『DEHANA』に掲載した「海外コミュニティレポート」に結実した。

 

  • ニコ生週一対戦配信

    • ここに来てまさかの先祖返り。2019年始めから2021年中頃まで、100回以上やった。
      • 土曜日の20時からと時間を決めて、定期的に対戦することにした。
        • そうでもしないと、なかなか対戦相手が見つからないということでもあった。
      • ここでリスナーとだらだらしゃべりながら、オフ会や同人誌の企画を作っていった。
    • 『DEHANA  ZERO』という初心者向けの小冊子を作ってBOOTHで頒布した。

 

  • 同人誌『DEHANA』発行

    • 2020年末に制作がはじまり、2021年5月にリリースした。
      • 本来はC99で頒布予定だったが、コロナの影響でC99が延期となり、BOOTHでの委託販売になった。
    • 制作のモチベーションについて。既に、完成された攻略本『アル花ディア』(2007)があった。データについてはもう十分に書き尽くされていた。
      • しかし『アル花』の発行以後、自分たちも花映塚をやりこんできたし、そこでの発見もあった。遊び方を作ったり、海外との交流も始まった。そうしたものを含めて、総合的な花映塚の攻略本を作りたいと思った。
      • それとは別に、全く個人的な理由だが、いつかコミュニティへの恩返しをしたいと思っていた。初期に、年上の先輩たちからいろいろと良くしてもらっていたから。
    • たくさんの方から協力をいただけて、ありがたく思っている。様々なコミュニティ、世代のプレイヤーで集まって一つの作品を作れたことが嬉しかった。
      • とりわけping値さんにはとても感謝している。
        • 制作の最初期に、『DEHANA ZERO』を(お願いしたわけでないのに)読んでいただき(そのために購入までしてくれた)、文章やデータの不備を指摘してくれた。
        • また『DEHANA』第一章の私の文章の校閲・校正をしていただいた。
        • 返ってきたコメントを見て、自分の文章の甘さを痛感した。気を引き締めなければと思った。これが全体のクオリティアップに繋がった(と信じている)。

 

  • 2022年はじめ、いま現在

    • 現在私は花映塚を滅多にプレイしていない。おそらく今年に入ってから、一度もパットを握っていない。
    • オフ会や大会を開こうというモチベーションもない。
    • 2015年に花映塚を再開してから、徐々にゲーム全般に対する関心の方向が変わってきた。現在はゲームが上手くなることにはそれほど関心がない。
    • とはいえ花映塚が好きであることは変わりない。今でも私の人生のベストゲームだ。自分なりの付き合い方をしていきたいと思っている。

 

(おわり)